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* 北京・街角の歌ごえ *


<双子>

 北京の街をブラブラしていて、ふと、気が付いたことがある。
 双子が多いこと。
 馬慶明さんに言うと、「中国では、『上に政策あれば、下に対策有り』、と言いますからね」、という答え。

 街中や公園などで意識して捜してみると、先週の土日の二日で三組の双子を見かけた。やっぱり多い。
 馬慶明さんに言わせるとこうなる。大人の双子は見ないでしょ、と。大人になたっら手を繋いで歩かない分目立たないということもあるけど、そもそも、昔は今みたいには双子はいなかったのだ、と。つまり、こうだ。一人っ子政策の浸透とともに双子が増え始めた、と。
 中国の伝統的な儒教的な考え方、大家族主義的なライフスタイルからみれば「一人っ子政策」というのは飛んでもない悪政になる。中国四千年。戦乱があり、動乱があり、自然災害が絶え間なく続いた。国はどうなたって家族さえあれば生きていける。国はあてにならなくとも家族だけは自分の生きて行く拠り所になる。「大家族」というのは、民衆にとって知恵以前の本能のようなものなのだ。それが、一人しか子を産んではいけないなんて……。

「政策」に対抗する「対策」は分かった。それにしても、「対策」だからって、急に双子が増えるもんだろうか。一心不乱に念ずると双子が生まれる? 性行為の時におまじないをする? そういえば、占いの本で、「双子の産み方」を書いたものがよく売れている、と聞いたことがある。夫婦の名前の画数とか、方位とか、時刻とか……。
 ともあれ、双子を連れた母親の顔が、共通して、いかにも誇らしげなことは確かだ。誰もが、明らかに、「ほら、見ろ。わたしゃ、双子を生んだぞ」、と言っている。


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