《異界》

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(4) 今、なぜ<異界>か? なぜ、チベットか?

 今、なぜ、<異界>なのか? なぜ、チベットなのか? 

 一九六〇年代、多くのヒッピーがインドへ向かった。合理よりも非合理、理性よりも感性、科学よりも瞑想、進歩よりも後進。彼らが求めたものは、「反文明」というようなものだっただろうか。
 今、私たちのチベットに向けられる関心は、それとは少し違う気がする。
 彼らが狙ったものは、「反」価値というか、価値の転換であった。「なんだ、後進は、先進より良いじゃない」、というような。
 でも、時代はチョッピリ成熟をした。
「先進」は「後進」よりも価値があるわけでないし、「後進」が「先進」よりも価値があるわけでない。時代は私たちにこう教える。すべての人の一生は等価である、と。その中で、私たちは知りたいと思う。五体投地で、七ヶ月をかけ、ラサに巡礼をする人は、一体何なのだろう、と。ポタラ宮の暗い霊堂で燈明を捧げ、一心に祈る老婆の心にあるものは、一体何なのだろう、と。

 私たちはチベット人になりたいわけではない。ラマ教徒になりたいわけでもない。私たちは旅人としてチベットへ行くだけだ。ただ、行くと驚く。普通の驚きかたではなく、五十年なら五十年、生きてきた生を思わず振り返えらずにはいられないように驚く。私たちは、チベットに驚くと同時に、日本に驚く。チベットにおける生と死に驚くと同時に、現代の日本における生と死に驚く。
 そう、チベットは<異界>なのだ。磁力の強い<異界>なのだ。
 その<異界>が、私たちを呼んでいる。来てみろ、と。ここには、私たちを驚かす何かがある、と。私たちの人生を転換させる可能性のある何かがある、と。


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